契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「川瀬勇様ですよね。白川から伺っております。どうぞ、こちらへ」

 陽子と森田蓮の婚約パーティーの騒ぎがおさまらぬ間に、俺は白川社長の計らいでインドに飛び立った。

「プライベートジェットって初めて乗るわ。それにしても日陰は大丈夫かな⋯⋯」

 俺は小笠原家の最大の秘密である小笠原夫人の須藤玲香殺しを公の場で明らかにした。

 俺がこの真実に辿り着いたのは陽子が口の軽いバカ女だったことと、長い年月をかけ彼女に俺が自分側の人間だと思い込ませることができたからだ。

「日陰さえ幸せならいいんだ。本当に厄介な恋をしたな⋯⋯」
 長い間の片思いを思うと、泣きそうになる。