契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 私が初めてできた彼氏の浮気で苦しんでた時に寄ってきた男。
(地味で真面目そうだから安心してたのに、勇も同類だったってことか⋯⋯)

 寝室から声が漏れてくる。

「まったく、病気とかまじないわ。ただでさえ、日陰の家は複雑で結婚には二の足を踏んでいたのに」

「やめちゃいなよ。日陰なんて幸薄そうで、一緒にいるとこっちまで不幸になりそうな女じゃん。結婚すると簡単に浮気できないよ、今みたいに」

 漏れる声の1つは私の友人の小笠原陽子の声だった。