契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 生まれも育ちも違う緋色さんに私の気持ちが伝わるかは分からない。

 私は小笠原社長の秘書であった須藤玲香を幼い時に陽子の家で見たことがある。
 あの時は彼女が私を産んだ母親だとは知らなかったし、彼女も私に興味がなさそうだった。

 私が6歳か7歳くらいの時から彼女を見なくなったから、その時には彼女は亡くなっていたのだろう。

 彼女は私を一瞥くらいしたことがあったかもしれない。

 しかし、実の子である私に興味を持っていた感じでは無かった。
 私が求めているのは須藤玲香ではなく、私が母親だと思っていた望月加奈だ。