契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 突然また私に跨りながら話してくる緋色さんに驚いてしまう。

 さっき、ひなたを挟んだ向こう側にいたはずなのに瞬間移動して来たのだろうか。
(私に一目惚れしたような話をしてくるし、変に緊張してしまうわ⋯⋯)

「会いに行きたいです。私が会いたかった母親は望月加奈さんです」
 私が会いたくて探していたのは、私を産んだという須藤玲香ではない。

「5歳の時にビニール袋に入ったドングリが沢山あるのを見つけたんです。父に聞いたら、それは私が1歳の時に母と拾ったものだと言っていました。私は一緒にドングリ拾いをしてくれたお母さんを探していたんです」