契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

別に、このまま日陰を襲おうとした訳ではない。

 ただ、日陰があまりに自分の死を受け入れていたのと、ひなたのことばかりで俺に興味がないのが悲しかっただけだ。

「緋色さん、本当にやめてください。怒りますよ」

 日陰の額にキスすると、俺はまた、ひなたを挟んだ自分の寝場所に戻った。

(日陰は本当にひなたの母親になりたかったから、俺と結婚しただけなんだな⋯⋯)

 気持ちが驚くほど沈んでいくのが分かる。

 初対面で女神のようだと一目惚れして、2回目に会った時にはプロポーズした。

 一緒に暮らしていくうちに、彼女の芯の強さや優しさに日々惹かれていく。