契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

 私は自分が思ってもないことを口走っていることに驚いてしまった。

 一緒に暮らしていても、緋色さんは仕事熱心で他の女性の影なんて感じたことがない。

 しかし、彼が私と死別した後、シングルになっても相手には困らないだろうと予想ができてしまった。

「日陰、そんなことを言っていると本気で怒るぞ」
気が付くと私の上に緋色さんが乗っかってきてて驚いてしまう。

 彼の目を見ると真剣に怒っているのがわかる。
(でも、私がいなくなるのは本当のことだから仕方がないじゃないか⋯⋯)

「やめてください。隣で子供が寝ているんですよ」
私は思いっきり手を突っ張って、緋色さんを押し返した。