契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

(ママと呼ばせてしまって良いのかしら⋯⋯今までにない罪悪感があるのはなんで?)

 自分が思っていた母親が、自分を産んだ母親ではなかった。

 私は今その事実に動揺していて、目の前にいるひなたにも同じ動揺を今後与えるかもしれないと思うと不安になる。

「本当に喋れるようになったんだな」
突然、隣にいた緋色さんが発した言葉に我に返った。

「緋色さん、驚くのはまだ早いですよ。ひなた、今日は何をしたのかママに教えてくれる?」

「今日はね。狼の絵本読んで、ブロックでも遊んだよ。それからね、クッキー作りもした」
「本当に? ひなたの作ったクッキー食べたい」
「食べられるよ。まだある」