契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「お父さんの顔を描いて良いのよ」
保育園の時、母の日の絵を描く際には困ったような顔で先生に言われた。

 私は想像した母親の顔を絵を描いた。
 父を愛せなくなっても、きっと私のことを思ってくれているだろう笑顔の母親を想像で描いた。
(きっと、いつも笑顔で、本当は私に会いたくて仕方がない優しいお母さん⋯⋯)

 私も自分に子供ができたら宝物のように大切に育てたい。

 トゥルルルルー。
「あれ、健診センターから電話みたい。何かしら?」
これからの家族計画に胸を膨らませている時に、私は運命の電話をとった。

「いいよ。出て」
勇に促されて私は電話に出た。

「え、精密検査? 分かりました」