契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「小笠原夫人の愛人殺し⋯⋯」
「その通りだ。小笠原社長も慌てたあまり、娘の虚言だと言えば良いものを、妻まで精神疾患を患っていると口走ったな」

 緋色さんのいう通りだ。

 あの場は、全て陽子の虚言だと言ってしまえば良かった。
 それなのに、彼はあの場にいない小笠原夫人まで病人扱いしていた。

「勇はよく、そのような秘密を陽子から聞き出しましたね」