契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

「皆様、最高のサービスとはなんだと思いますか? 期待通りのものを与えられても、記憶には残りません。私はサプライズこそが最高のサービスだと考えます」

 緋色さんの声に拍手が沸き起こった。

 彼も先程の映像を、もう余興にしてしまうつもりなのだろう。

 小笠原製薬も森田食品も大企業だ。
 私の復讐を果たすことよりも、大きな企業との関係の方が大事だと判断したのかもしれない。

「緋色さん、もう十分です。帰りましょ、ひなたが待っています」
 私は小声で緋色さんに耳打ちした。

 あと、1年しか生きられない私のことよりも、これから人生が続いていく緋色さんやひなたの事を優先するべきだ。