君に捧げるアイラブユー




ずるい。ほんと、ずるいよ。こんなに好きにさせたくせに。

東は優しいから。距離が近いから。期待するようなことばっかりするから。私は何回も勘違いしそうになった。そのたびに必死で飲み込んできたのに。


ぎゅっと唇を噛みしめながら東を見上げる。すると東は少し困ったみたいな顔をして、小さく呟いた。



「……ごめん」



その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が冷たくなる。

また、それだけ。結局、東はいつもそうだ。優しい顔して、ごめんって言って、それで終わり。違う。聞きたいのはそんなことじゃない。



「ねぇ、東、なんで、」



どうしてそんな顔するの。どうして私に期待させるの。どうして今日、一緒に行こうなんて言ったの。聞きたかったのに。



「西宮には、言っても分かんないよ。とりあえず、行こ?」



その瞬間、頭の中が真っ白になった。


……は?なにそれ。分かんないって、なに。

東はそう言いながら、私が掴んでいた制服の袖から、そっと手を外した。優しく。傷つけないように。まるで子どもを宥めるみたいに。