君に捧げるアイラブユー




「……東、なにかあったの?」

「どうして?」



東は少し驚いたみたいに瞬きをした。

どうして、って。そんなの。

私は小さく息を飲む。

東は今、ちゃんと笑ってる。誰が見ても普段通りに見えると思う。でも、私には分かる。分かっちゃう。だってずっと見てきたから。

東が笑う時の目の形も、声の抜き方も、機嫌がいい時と無理してる時の違いも。全部見てきた。好きだから。ずっと、見てたから。



「……前、私のこと見てるって言ってくれたよね」



気づけば、そんな言葉が口から出ていた。東の視線が少しだけ揺れる。



「そんなことも言ったね」



軽い声。まるで何でもない話みたいに返されて、胸の奥がむっと熱くなる。

……なにそれ。忘れた、みたいな言い方。

東にとっては、きっと軽い言葉だったんだろうな。さらっと言っただけ。深い意味なんてなかったのかもしれない。

でも、私は違った。

何回も思い出した。嬉しくて、苦しくて、期待して。東の言葉ひとつで、こんなに振り回されてるのに。悔しい。ほんと、悔しい。


東は、とりあえず、行こう、とだけ言って歩き出した。

その背中を見た瞬間、胸の中がぐちゃっとした。