君に捧げるアイラブユー




……ああ、違う違う。たぶん北見だ。きっと北見が、なんか余計なこと言ったんだろうな。

東って、変に律儀なところあるし。だから置いていけなくなったとか、そういうだけ。うん、絶対そう。

やめよう。やめようね、すぐり。期待するの、本当にもうやめよう。

どうせまた勝手に期待して、勝手に苦しくなるんだから。すぐ痛い目見るって、もう何回も経験済みじゃん。



「東、行こっか」



私はできるだけいつも通りに笑った。何も考えてないみたいに。平気みたいに。ニコッと口角を上げて、東の隣に並ぶ。

……これでも本当は精一杯なんだけどな、東。

隣に並ぶだけで、心臓うるさいくらいドキドキしてる。肩が少し近づくだけで意識してしまうし、制服の袖が揺れるだけで目で追ってしまう。

東はたぶん、そんなこと知らない。

知らないまま、普通に隣を歩く。

少し歩いたところで、東がぽつりと言った。



「……西宮、今日も天馬と来たの」



その言葉に、私は思わず東を見上げた。

やっぱり、違う。どこか少しいつもと違う。声のトーンも、表情も、全部微妙に噛み合ってない感じがする。元気がないっていうか、うまく笑えてないっていうか。

今日は、笑顔を作ってる感じがする。