君に捧げるアイラブユー




「あれのどこが分かりやすいの?」



私は思わず声を上げる。



「私がどれだけアピールしても涼しい顔してさぁ!」



ほんと、あの余裕なんなの。こっちは話しかけるだけで緊張してるのに、東はいつだって普通だ。近い距離で話しても平然としてるし、こっちがドキドキしてるの気づいてないのかな。


でも。ふと、保健室でのことを思い出す。

あの時の東、少し違ったかもしれない。顔、赤かったし。珍しく余裕なさそうだったし。ちょっと怒ってるみたいな顔もしてた。


……え。もしかして。言葉で頑張るより、そっち系の接触のほうが効果あったりする?

いやいやいや、何考えてんの私。朝から。風邪で頭やられてる?でも確かに、あの時の東、明らかに変だった。いつもの余裕消えてたし。ってことは。いや、でもだからって何するの。


距離近づけるとか?そんな高度なこと私にできる?無理では?いやでも――。



「今気づいたけど、西宮、声ガラガラ」



その声を聞いた瞬間、むかつくくらい綺麗な横顔が視界に入って、私は思わず顔をしかめた。

絶対そこまで心配してないでしょ。

かわいそうに、なんて一ミリも思ってないくせに!

いっそのこと、その顔一発くらい殴ってみたい。まあ、実際そんなことしたら「北見くんになにしてるの!?」って北見ファンに囲まれて、次の日には学校中の嫌われ者コースだろう。