君に捧げるアイラブユー




頭の中に、あの日の東の言葉が蘇る。


『俺のことなら、直接聞いてよ。西宮ならなんでも答えるからさ』


思わせぶり。ほんと、ずるい。あんな言い方されたら期待するに決まってるじゃん。

“なんでも答える”なんて、そんなの特別みたいに聞こえるじゃん。


でも違う。本当はちゃんと分かってる。その“なんでも”は、本当のなんでもじゃない。


東は優しいから。相手を傷つけないように話すのが上手だから。だからああいう言い方をする。勘違いさせるつもりなんてなくても、結果的にそうなる。


東にとっては普通の優しさ。でも私は、その一言だけで何日も浮かれてしまう。少し話せただけで嬉しくなる。目が合っただけで一日幸せになれる。


そんなの私だけだ。好きなの、私だけ。


勝手に期待して、勝手に落ち込んでるだけ。東はきっと、そこまで考えてない。ちゃんと分かってる。分かってるのに、諦められない。



「俺、ずっと言ってるよな? のんびりしてたら捕られるぞって」



北見は呆れたみたいにそう言った。その何気ない一言が、今日はいつも以上に胸の奥深くまで沈んでいく。

捕られる。そんな言葉、聞きたくなかった。