「ねぇ、北見」
「ん?」
「なんで昨日、東と一緒に帰らなかったの?」
「昨日?急になに?」
北見が不思議そうに眉を上げる。私は少しだけ視線を逸らした。
だって昨日。もし北見が東と帰ってたら。東はあの女の子と相合傘なんてしなくて済んだじゃん。
そんな八つ当たりみたいなこと、口にできるわけないのに。
「昨日、東が相合傘して帰るところ見ちゃって……」
「あー…昨日は確か、担任が雑用頼んだのがその二人だったから、帰るタイミング同じだっただけ。汀に手伝ってって言われたけど、その女子が俺のこと邪魔そうだったから」
北見はそう言ってクスクス笑った。性格悪!
「私が東のこと好きだって知ってて、ふたりきりにさせたんだ!?」
「俺、協力するなんて言ってないよな」
……それはそうだけど。そうだけどさ。なんかもうちょっとこう、友達として情とかないわけ?
「それより、こうやって本人に聞かないのが、あいつは多分一番嫌がると思うけど」
「……。」
北見までそんなこと言うんだ。



