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放課後。
昇降口に響く雨音が、やけに大きく聞こえた。さっきまで降りそうで降らなかったくせに、どうしてこういうタイミングで本気を出すんだろう。
ローファーに履き替えた瞬間だった。ザーッ、という音と一緒に、まるで空がひっくり返ったみたいな大雨。昇降口にいた何人かも「うわっ」と声を上げていて、みんな慌てて外を見ている。
私はその場から一歩も動けなかった。だって無理。傘ないし!この雨の中を駅まで走るとか、絶対無理。髪も制服もぐちゃぐちゃになる未来しか見えない。
結局、昇降口の端で立ち尽くしたまま、もう5分くらい経っていた。今日の私、なんか本当に運悪い。なんで朝、天気予報見なかったんだろう。
いや、見ててもたぶん、いけるかって思って傘持ってこなかった気はするけど。でも今なら朝の自分を全力で殴りたい。
湿った風が吹き込んできて、足元に冷たい空気がまとわりつく。
外はもう完全に雨の世界だった。地面を叩く音。屋根を打つ音。水たまりが広がっていく様子。全部が憂鬱を加速させる。
しかも今日は、それだけじゃない。私の気分も、空と同じくらいどんよりしていた。
一回も、東と話せなかったから。朝からずっと、なんとなくタイミングを探していた。



