そして次の瞬間、東はとんでもない爆弾を落とした。
「タイプは、西宮みたいな子かな」
時間が止まった気がした。頭が真っ白になる。心臓が一瞬止まって、それから遅れて爆発みたいに暴れ出す。
「……っ、嘘つき!」
「嘘じゃないよ。俺、嘘ついたことないでしょ」
そのまま自然に歩き出す東を、私は慌てて追いかけた。
離れたくない。今の言葉を聞いたあと、一人になんかなりたくない。
もっと聞きたい。もっと私だけにそういうこと言って。
振り回されたくないって思ってたはずなのに。もうどうでもいい。振り回されてもいい。東ならいい。
……いや、よくないけど。でも好きだから仕方ない。だけど、苦しい。もし今の言葉が本当だったとしても、それはそれで苦しい。
だって東の前にいる私は、本当の私じゃない。私はずっと頑張ってる。東に好かれたくて、嫌われたくなくて、可愛いって思われたくて、必死に“いい女”を演じてる。
明るくして、余裕あるふりして、冗談言って、重くならないようにして。
本当はこんなに嫉妬深くて、こんなに不安で、東の一言一言に一喜一憂してるのに。そんな面倒くさい私を東は知らない。
だから『西宮みたいな子』って言われても、素直に喜べない。
嬉しいのに。泣きそうなくらい嬉しいのに。怖い。
そんなこと言われたら、もっと好きになっちゃうから。



