君に捧げるアイラブユー




その目、だめ。真っ直ぐ見られると苦しい。東の目って優しいのに、たまにすごく心臓に悪い。見つめられるだけで全部見透かされそうになる。でも逸らしたくない。せっかく東が私を見てるのに。


私はぐっと堪えて、東から目を離さないようにした。数秒なのに、すごく長く感じる。東は何を考えてるんだろう。どうしたんだろう。

北見と一緒にいたこと、そんなに意外?いやでも東だって知ってるはずだ。私と北見が普通に話す仲だって。去年同じクラスだったし。というか、そもそも私は東に近づきたくて北見に近づいたみたいなところあるし。

だから東が知らないはずない。去年だって、私が北見の席に行くたび東もそこにいたし、三人で話したことだって何回もある。なのに、今さらそんなこと聞くなんて。

東は少し黙ったまま、また視線を逸らした。廊下の窓から入る光が東の横顔を照らしている。

綺麗だな、なんて場違いなことを思ってしまう。もうほんと病気。東のことになるとすぐこうなる。



「東、どうかした?」



できるだけ明るく、いつも通りに聞いたつもりだった。でも声の奥に滲んだ不安を、自分では誤魔化しきれていなかった気がする。すると東は少しだけ視線を逸らして、「いや、別に」と答えた。

その返事に、胸がひやりと冷える。

……あれ。なんか、冷たい。いや、冷たいっていうほどじゃない。たぶん他の人からしたら普通なのかもしれない。

でも、東をずっと見てきた私には分かる。いつもより少しだけ素っ気ない。声の温度が低い。


どうして?私、何かした?


頭の奥に嫌な記憶が蘇る。あの日の保健室。東が急によそよそしくなった時のこと。あの時の胸の痛みを、身体が覚えてる。もしまた避けられたらどうしよう。もし嫌われてたらどうしよう。

そんな考えばかりが一気に押し寄せてきて、心臓がドッドッと嫌な音を立て始める。


でもだめ。東の前で不安そうな顔したくない。重いって思われたくない。私は必死に呼吸を整えた。