北見は一瞬だけ私を見たあと、はぁ、と小さくため息をついた。
「本人に直接聞けよ」
「えー!?ケチ!」
思った以上に大きな声が出た。
しまった、と思った頃にはもう遅い。気づけば私たちは昇降口にいて、外よりもずっと声が響く。
うわ、恥ずかしい!
私は慌てて口を塞ぎ、周囲を見回した。その瞬間だった。
「天馬、だいじょ……って、西宮?」
心臓が止まるかと思った。斜め向かい、自販機の前。そこにいたのは東だった。
ガコン、と飲み物が落ちる音がやけに大きく聞こえる。
東は少し驚いた顔のまま取り出し口から缶を拾い上げ、こっちへ歩いてくる。
やばい。今の聞かれてないよね?お願いだから聞いてませんように。
頭の中で必死に祈る。でも東は特に変わった様子もなく、いつもの優しい顔をしていた。
「東、おはよう」
学校着いてすぐ東に会えるなんて。運命?
「西宮、おはよ。足とれたの?」
東が自然に私の足元を見る。その視線だけで胸がきゅっとなる。



