君に捧げるアイラブユー




「北見の方こそどうなの?浮ついた話一切聞きませんけど?」

「俺、理想高いから」

「北見、よく女子に殴られないね?」



こっちを見もしないでスマホのゲームを続けているあたり、本当にこいつは何を考えて生きてるのか分からない。



「……北見じゃなくて、東だったらよかったのに」



気づいたら、そんなことをボソッと口にしていた。

言ってから一瞬遅れて、あ、やば、と思う。

でも北見は特に驚いた様子もなく、ようやくスマホから目を少しだけ上げて「俺に殴られないの感謝しろよ」とだけ返してくる。


そういうとこだよ、本当にそういうとこ!

東だったら、こんな意地悪なこと言わない!もっとちゃんと優しいし、もう少しだけ人の気持ちに寄り添ってくれるはず!


小さく文句を言っていると、病院のモニターに番号が表示されて、受付から名前が呼ばれる。



「じゃあね、北見」



そう言って立ち上がると、北見は相変わらずスマホから視線を外さないまま、左手だけを軽く上げた。