スマホから目を離さず、わざわざ聞いてきたくせに興味なさそうに返すその感じが、ムカつく。
こいつのどこが王子様なんだ?
どこがナンバーワンなんだ?
「去年は同じクラスだったのにな」
そう言いながら、ほんの一瞬だけスマホから視線を上げて私を見る。
その目元がマスク越しでも分かるくらい緩んでいて、たぶん笑っている。
「なに?もしかしてマウント?」
「ここですぐ汀のこと考えるのが西宮らしいわ」
即答されて、思わず言葉が詰まる。
図星を刺されたというより、思考の癖を見透かされた感じがして悔しい。
去年、私と東と北見は同じクラスだった。
東を好きな私にとって、北見と仲良くなることは正直、絶対条件!みたいなものだった。
東と繋がっている人間と話せないままじゃ、たぶん私はずっと一歩引いたところから東を見続けることになる。
それが嫌だったから、最初はかなり必死だった気がする。



