君に捧げるアイラブユー



「ごめん、馬鹿にしてるわけじゃないから」



そう言いながらも全然笑ってる。ひどい。でも、東のことだから本当に悪気はないんだろうなって分かる。だから怒りきれない。むしろ、その笑った顔を見られたことにドキドキしてしまってる自分がいる。


ずるい。本当にずるい。


私はじとっと東を見下ろしながら、また一段ジャンプして降りる。

そのたび、繋いだ手が少し揺れる。東の指が離れない。その事実だけで、胸の奥がじんわり熱くなった。


東の手、大きいな。とか。指長いな。とか。そんなことばっかり考えてしまう。もうまともに思考できてない。

しかも東、階段を降りるたびちゃんと私に合わせてゆっくり歩いてくれる。

急かさない。置いていかない。当たり前みたいに隣にいてくれる。その優しさが嬉しくて、でも同時に苦しかった。


だって期待してしまうから。避けられてると思ってたのに、こんなふうに優しくされたら、期待しない方が無理だ。


もしかして嫌われてない?とか。避けてたわけじゃない?とか。そんな都合のいいことを考えてしまう。

だけど、そのたびに「いやいや」って自分で打ち消す。


だって東は優しいだけ。私だけ特別なわけじゃない。分かってる。

分かってるのに、繋がれた手があまりにも温かくて、どうしても期待してしまう。


好きな人って、なんでこんなに簡単に心をぐちゃぐちゃにしてくるんだろう。