君に捧げるアイラブユー




後ろから、不意に名前を呼ばれる。聞こえた瞬間、心臓が止まりかけた。久しぶりに聞いたその声に、私は勢いよく振り向く。

そこに立っていたのは、東だった。



2週間。


2週間ぶりに、こんな近くで東を見た。

ずっと避けられてると思っていた。もう話しかけてもくれないのかもしれないって、勝手に落ち込んでいた。

なのに今、東は確かに私を見ていた。



「……あ」



情けないくらい間抜けな声が漏れる。心臓がうるさい。びっくりするくらいうるさい。なんで。なんで急に。

東は私の真後ろに立っていて、こっちを見下ろしていた。夕方の光が横から差して、制服の輪郭が柔らかく見える。

その顔を見た瞬間、2週間我慢していたものが一気に溢れそうになった。


会いたかった。会いたかった。ずっと。ずっと会いたかった。

なのに、いざ目の前にすると何も言えない。喉が詰まる。視線を合わせるだけで苦しい。


東も、少しだけ驚いたみたいな顔をしていた。まるで本当に偶然会ったみたいな顔。でも私は知ってる。東はずっと私を避けていた。だから余計に分からなかった。

なんで今、話しかけてくれたの。



「大丈夫?」



東は、そう聞きながらも何も言わずに私の松葉杖を持ってくれる。