「……だって、東に似合う女の子になりたいんだもん」
小さくそう呟くと、三木が「お」と少しだけ目を丸くする。
「落ち着いてて、余裕があって、大人っぽくて……そういう、かっこいいウーマンになりたいのっ」
言いながら、自分でも無理があると思った。だって現実の私はこれだ。
東の存在に、毎日一喜一憂して、机に突っ伏して騒いでるような人間。
でも、それでも。東の前では、少しでもちゃんとしていたかった。そうじゃないと、東の隣なんて似合わない気がして。
「ふーん?」
三木がじーっと私を見る。その視線に耐えられなくて、私は顔を伏せた。
「だって東って、なんか余裕あるじゃん……」
「あー、分かる」
「いつも落ち着いてるし、かっこいいし、優しいし……」
思い浮かべるだけで胸が苦しくなる。
東は、私と違う。私みたいに感情を全部顔に出したりしないし、周りに流されて騒いだりもしない。いつも自然体で、余裕があって、でも冷たいわけじゃなくて。だから私は、そんな東の隣に並んでも恥ずかしくない女の子になりたかった。



