君に捧げるアイラブユー




あれから2週間。東は一度も、私のクラスに来ていない。
前までは、あんなに普通に来てたのに。

最初は本当に些細なことだった。
東が一度、教科書を忘れた日。



「あ、東、貸そうか?」



そう声をかけたのが始まり。今思えば、あの日の私はかなり勇気を出していたと思う。

好きな人に自分から話しかけるなんて、それだけで一大イベントだったし、声が震えないようにするだけで必死だった。

でも東は普通に「助かる」って笑ってくれて、その瞬間、心臓がありえないくらい暴れた。

それからだった。東は教科書を忘れるたびに、私のところに来るようになった。



「悪い、貸して」

「……う、うん」



そんな短いやり取りだけなのに、一日中幸せでいられた。東が私の机の横に立ってる。それだけで世界が輝いて見えた。

しかも教科書がなくても、たまに東はふらっと私のクラスに来てくれていた。(まあ、ほとんど私のことは用事ついでみたいなものだけれど)

クラスが違うのに、会いに来てくれる。その事実だけで舞い上がれるくらいには、私は東が好きだった。