さっきまであんなに近かったのに、簡単に離れてしまって、胸の奥がきゅっと縮む。
恥ずかしいとか、痛いとか、そんなのよりも先に来たのは、どうしようもない寂しさだった。さっきまで抱えられていたのが嘘みたいだ。
東に伸ばしかけた右手は、途中で止まったまま、結局何も掴めずにゆっくりと下ろされた。
……やっぱり、私だけだよね。いつものことだけど。
東は誰にでも優しい。それは分かってる。
私にとっては特別に感じることも、東にとってはただの些細なことなのかもしれない。
それでも、少しくらい意識してくれたらいいのに。
小さくため息をつきながら、私は棚の前で湿布を探している東の背中を見つめた。
しばらくして、東は湿布を持って戻ってきて、私の前にしゃがみ込む。
「靴脱がすよ」
一言だけそう言ってから、私の足元に手を伸ばす。その指が触れた瞬間、びくっと身体が反応してしまう。



