前から見慣れた人物が歩いてくる。気怠そうな足取り。いつも通りの無愛想な顔。私は思わず目を輝かせた。
「北見!」
ちょうどいいところに!!
北見は私を見るなり眉間に深い皺を寄せる。
ああ、今日も機嫌悪そうだなぁ。でも今はそんなこと気にしていられない。
「東が、中学の時すっごい美人な子と付き合ってたって本当!?」
――あれ?さっきまで気にしないって決めてなかった?自然に聞くって決めてなかった?
私の決意、わずか数分で消滅。
北見は露骨に嫌そうな顔をして私から少し距離をとる。
「急になんだよ」
「だーかーらー!南野さんに東が超美人と付き合ってたって聞いたんだけど、本当なの?って聞いてるの!」
昼休みからずっと気になっていたのだ。いや、正確にはここ最近ずっとだ。
東って恋愛経験あるのかな。元カノいたのかな。そう思い始めてからずっとモヤモヤしていた。
そこへ南野さんの爆弾発言。気にならないわけがない。



