「言っとくけど、私まだ汀のこと好きだから」
「……え!?」
「そう言ったら困る?」
「め、めちゃくちゃ困るよ……!」
困るに決まってる…!
南野さんは可愛い。ものすごく可愛い。芸能人ですって言われても信じるくらい可愛い。スタイルもいいし、明るいし、人気者だし、私なんかよりずっと魅力的だ。
東が南野さんに気がないことは分かっている。分かっているけど、それとこれとは別問題だ。
好きな人が自分よりずっと可愛い女の子に好かれてるなんて、不安にならないわけがない。
もし東の気持ちが変わったら?もし何かのきっかけで南野さんを見るようになったら?
すると南野さんは私の顔を見て、突然「あはははは!」と大きな声で笑い出した。
「な、なに?」
突然笑われて戸惑う私に、南野さんは涙が出るほど笑いながら言った。
「そうやって、一生困ってればいいよ!」
――な、なんだって!?
私は本気で困っているのに、南野さんはものすごく楽しそうだ。
私の頭の上には大量のハテナが浮かんでいた。けれど、ひとしきり笑ったあとだった。



