君に捧げるアイラブユー




辿り着いたのは図書室だった。

テスト期間中は席を探すのも大変なくらい人で埋まっていた場所なのに、今日は驚くほど静かだった。本棚が並び、窓から差し込む昼の日差しだけが室内を照らしている。



「座って」



促されるまま入口近くの席に腰を下ろす。南野さんもその隣に座った。



「西宮さん、汀と付き合ってるらしいじゃん」



きた。やっぱり。



「まあ、はい……南野さんには言わなきゃとは思ってたんだけど……」

「私、絶対おめでとうなんて言わないからね」



うっ……。もちろん祝福してもらえるなんて思っていないけど…!


沈黙が落ちる。図書室の時計の音だけがやけに大きく聞こえる。私は膝の上で手を握りしめた。だけど、ここで黙ったままなのも違う気がした。



「……こんなこと言われたくないかもしれないけど」

「なに?」

「南野さんには感謝してる。ありがとう」



そう言った瞬間、南野さんの眉がぴくりと動いた。



「……急に何?」

「南野さんのおかげで東に気持ち伝えることができたから」

「は?」



低い声が返ってくる。



「嫌味?」



私は慌てて首を振った。



「そう捉えられても仕方ないけど……」



自分でも分かっている。好きな人を取った相手から感謝されるなんて、普通なら嫌味にしか聞こえない。でも本当に感謝していた。嘘じゃなかった。