君に捧げるアイラブユー




三木の言う通り、きっと噂は耳に入っているはずだ。東と私が付き合っていることなんて、とっくに知っているだろう。それなのに私から改めて言う必要なんてある?


……やっぱり戻ろうかな。そうだよ。今日はやめよう。落ち着いてから考えよう。


そう思って踵を返しかけた、そのときだった。



「あ、最悪」



すぐ横から声が聞こえた。びくっと肩が跳ねる。反射的に顔を向けると、そこには見慣れた茶色の髪があった。南野さんだ。



「い、今、最悪って言った……!?」



恐る恐る聞くと、南野さんは即答した。



「当たり前じゃん。もう一生顔見たくないと思ってたのに」



――うっ。

まあ…そっか。そうだよね。

南野さんはわざとらしく大きなため息を吐いた。

どうしよう。気まずい。ものすごく気まずい。さっきまで戻ろうと思っていたのに、まさか本人と鉢合わせするなんて。

神様、タイミング悪すぎませんか。