それから勉強をして、少し休憩して、また勉強して。その繰り返しだったはずなのに、気付けば時計の針は18時30分を過ぎていた。
楽しい時間は本当にあっという間だ。まだ帰りたくない。もっと一緒にいたい。でも帰らなきゃ。
最初に言っていた通り、東はまだ明るいうちに私を家まで送ってくれた。
私の荷物を自然に持ってくれて、歩く時は何も言わず車道側へ回ってくれる。その姿があまりにも自然すぎて驚いてしまう。
「じゃあ、また明日ね」
「……。」
「どうした?」
……いや、だって!東、なかなかのスパダリでは!?なんで!?どうして!?
前まで好きとか恋愛とか分からないみたいなこと言ってたのに!?
荷物持ってくれるし、送ってくれるし、名前呼んでくれるし、抱きしめてくれるし。何なのこの完璧彼氏?
もしかして東って本当は恋愛経験豊富だったりする?好きな人はいなかっただけで、付き合った経験とかあったりする?
そう考え始めると急に胸の奥がもやもやしてきた。別に東を疑っているわけじゃない。そんな権利があるとも思っていない。でも気になる。
だって私は初めてだから。好きな人も。恋人も。手を繋ぐことも。名前で呼び合うことも。抱きしめられることも。全部全部、東が初めてだ。
だから余計に考えてしまう。東はどうなんだろうって。私だけがこんなに一つ一つに舞い上がっていて、東はそうじゃないのかなって。



