君に捧げるアイラブユー





誰が見ても王子様って言われるような、まるで少女漫画からそのまま飛び出してきたみたいな、

アイドルの中のアイドルみたいな、悪いところなんてひとつも見つからないような、

そんな完璧すぎる男の人は、どうしても好きになれない。



「すぐりってさ、“じゃないほう”いくよね」



机に肘をつきながら、三木がくすっと笑う。



「“じゃないほう”ってなに?ちょっと失礼じゃないかな、三木」



西宮(にしみや)すぐり、高校2年生。

友達の三木(みき)とふたりでアイドル雑誌を広げ、お菓子の袋をがさがさ鳴らしながら過ごす、いつもの昼休み。



今、私たちが見ているのは7人組アイドルグループの特集ページ。


色とりどりの衣装をまとって、きらきらした笑顔をカメラに向けている7人。


その中心で堂々と笑っているのは、金髪で、いかにも“王道”という言葉が似合う男の人。最近、国宝級イケメンランキング一位に選ばれたとかで、テレビでもSNSでも毎日のように見かける顔だ。