君に捧げるアイラブユー




じわっと指先が冷たくなる。距離ができる。たったそれだけなのに、ものすごく遠く感じた。


……なにそれ。だったら、一緒に教室行こうなんて言わないでよ。期待させないでよ。私のことなんとも思ってないなら、こんなふうに特別みたいな態度取らないでよ。

優しくしないでよ。もうとっくに好きなのに、これ以上どうしろっていうの。苦しくて、悔しくて、情けなくて。感情がぐちゃぐちゃになって、気づけば私は叫んでいた。



「……東とは教室行かない!一人で行くから!」



昇降口に、自分の声が響いた。しまった、と思った時にはもう遅い。周りで登校していた人たちが一斉にこっちを見る。

でも、そんなの知るか!もうどうでもいい!

恥ずかしいとか、周りの目とか、全部吹っ飛んでた。

東は少し目を見開いて、固まっている。その顔を見たら、余計腹が立った。

知らない。もう知らない!


私は東を無視して、そのまま階段を駆け上がった。

足音がうるさい。胸も苦しい。涙が出そうなのに、絶対泣きたくなかった。

どうせ追いかけてこない。東はきっと、なんで私が怒ってるのかも分かってない。私がどれだけ苦しくて、どれだけ期待して、どれだけ東のことで頭いっぱいになってるかなんて、全然知らない。


……知らないくせに。好きにさせたくせに。

東なんて、もう知らない!