「生きてるだけで良いんだよ。そしたら、勝手に忘れていく。無理に忘れようとか、ましてや泣きたいなんて思わなくて良い!」 「泣いてもその出来事は消えない。悪い意味じゃなくて、消えてなんてくれないんだから、涙が勿体なくない!?」 「その黒歴史はきっと10年後には今よりも鮮明に思い出せなくなっている。例え、覚えようと思っていたって無理だよ。毎日生きているんだから」 奈留の言葉を私はただぼーっと聞いていた。喉に何かが詰まって、目の奥が熱くなっていく。 今度は温かくて泣きそうになる。