日向家の諸事情ですが。





空も晴れています。
わたしの心も大雨から快晴に変わりました。

紛れもなく、あなたのおかげです。



「……アホらし」


「えっ…?」


「キモい呼び方も敬語も。逆に馬鹿にされてるようにしか聞こえないんだよ」


「あっ、いやっ!じゃあ…、葉奈でいい…?」



だってわたし、あなたが大嫌いなメイドだよ…?


いいの?
こんなに馴れ馴れしくしても。

わたしはあなたより年下だし、そーいうのいちばん嫌がりそうなのに…。



「…はやく飯。腹減った」


「っ!うんっ!!」



涙が笑顔に変わった空の下。

ワンッッ!!と、目覚めたローレンの第一声に消されてしまったそれを、わたしはギリギリのところでキャッチする。


ほんの少し、小さく、わずかに、けれど確かに。


────泣きそうに歪ませた彼の表情を。