日向家の諸事情ですが。





「……夜ごはんのリクエストとか…、ありますか」


「あー。…あのうっすい牛乳みたいなの以外」


「……シチューのことか!!?そうだっ、あのね!あれめちゃくちゃ美味しいんだから!あなたがバカ舌なんだよ!このばかっ、バカちん!!」


「はいはい」



ほらね、こっちが向き合うと逃げる。


はいはいって……ムカつくーー!!!


わたしのことなんか見向きもしないし、スマホいじって気怠そうにソファーに座っちゃってさ!!

なぁんで雑紙の表紙みたいになるの悔しい…!!



「…は?セルフかよ」


「もちろんっ!なにか文句ございます??」


「俺に焼かせるってこと?」


「まあ焼肉ですからねっ!自分のお好みで焼き加減を決めたほうがいいと思って!あとからグチグチ言われなくていいと思って!!」



さっそく夜。

テーブルに付属された鉄板の前、用意したお肉や野菜。


たったそれだけで初日の夕飯は完成だ。


わたしの煽りMAXな応答など気にしない余裕を見せながら、そいつはトングを手にした。