日向家の諸事情ですが。





「ミカリもユリも、マナもリリコも。みんな奉仕先でうまくやっているっていうのに……あなたはどうしていつもいつも」



うわ、始まった…。

超逃げたい……。



「ルカだってヒマワリだって、リリナもアキもスミレにナオに……」



あ、言い忘れていましたが、我が家は女ばかりの大家族なのです。


その10人姉妹の末っ子がわたしでして。

お姉ちゃんたちはとっくに家を出て、みんな奉仕先で追い出されることなくメイド業を全うしている。


残ったわたしひとりが、いわゆる才能ナシの困り者なのだ。



「こら逃げない!!」


「ひっ…!」



そーっとそーっと背中を向けるものの、即アウト。



「そういうところだといつも言っているでしょう!逃げて何が変わるのよ?自分の情けなさとしっかり向き合いなさい!!」


「は、はい……」



でもね、もうわたしもわたしで言いたいことは溜まっているんだよお母さん。


わたしには向いていない。
メイド業はわたしがしていいことじゃない。

この家系に生まれたからといって、得意不得意はある。


だからいいかげん、これ以上の被害を増やさないためにもお母さんも学んだらどうだ───と。