日向家の諸事情ですが。





だって彼もまた、待っていたように抱きしめ返してくれる。

その腕から伝わる体温に、ほんの少しの寂しさと期待の色が混ざっていた。



「ずっとずっと待ってる…!なにかあったら帰ってきていいんだよ?いちばんに葉奈におかえりって言うからっ」



顎をくいっと持ち上げられて、返事の代わりに落とされた甘すぎるキス。

なぜか涙が溢れてしまうわたしに、困ったように微笑んだ彼はもう1度抱きしめてきた。



「…俺にはおまえだけが居ればいーよ」


「うん…っ、旦那様のことも…どーにかする。わたしが絶対どーにかするから。だから葉奈は安心して自分の道……進んでっ」



自信があるの、わたしには。

だっておまえら兄弟どもをここまで変えたんだから。



「卒業したらって考えてたけど、やっぱ2年後ね」


「2年後…?」


「…おまえを日向家の次男の嫁にするから」



それまで花嫁修業でもしておいてよ、と。




「────…愛してるよサナ」



「っ…、わたしも愛してるっ、……だいすき」




この男が次男、日向 葉奈。

きれいな花には毒があるように、触れようとすると刺々しくて危険でケガをする。


けれど………本当は誰よりもやさしく、甘い。


以上をもちまして!