日向家の諸事情ですが。





「えっ、椿ちゃんまで…!!葉奈っ、どうしよう…!柚子胡椒部隊が増えちゃった!!」


「心配するなよ。柚子と胡椒がケンカさえすれば内乱が起きるから」


「よーしここは一次的に手を組もうじゃないかワサビ部隊っ」



わたしと誰かさんの味覚が合うように、彼らの味覚もまた合うらしく。

これは一生ものの対決になりそうな予感。


そしてそして────……



「葉奈…!!」


「……見送り、いらないって言ってんのに」



とある昼下がり、空港にて。

駆けつけたわたしに大きなスーツケースを引いた背中が、振り返った。


兄弟たちともお別れして、あとは彼ひとりでイタリア出発というところで。



「……サナちゃん」


「っ…」



人目も気にせず、抱きついた。



「連絡っ、ぜったいしてね…!写真いっぱい送って、わたしも送るから…!!」


「…暇なときはビデオ通話するよ」


「うんっ!」



暇なとき。

そう言いながらもあなたはぜったい時間を作ってくれるでしょ…?