日向家の諸事情ですが。





俺の好きな子、おまえが初恋みたいだから。

腹立つしムカつくけど、だからこそおまえにだけは譲れない。


今まで俺が欲しいものぜんぶ手にしてきた自覚があんなら、それくらいは次男に譲ってくれよ。


日暮 サナだけは、どんな手を使ってまでも日向家次男の俺が貰う。



「あと俺、心配しなくとも早乙女財閥が経営する会社に内定貰ってるから」


「早乙女財閥って……おまえ、」



ニッと、俺は得意気に笑ってやる。



「下手したら日向家もおまえも超すね」


「…すげえよ、葉奈」



そーだよ。
俺はすごいんだよ。


そこに大東家だの日向家だの、要らないから正直。

おまえが思ってるほど俺はヤワじゃない。


俺にはただひとり、ポンコツでアホでまっすぐなあいつさえ居れば。



「…葉奈くん、」



と、そこで大東家のお嬢さんまでもが現れた。

それもこれもすべて嬉しそうに笑っている日向家のポンコツメイドの仕業なんだろう。