日向家の諸事情ですが。





涙が、ひとつひとつ落ちる。


私の嫌いなものは、玉ねぎ。

子供みたいだから絶対に識くんには言えなかったし、下手したら磯山くらいしか知らない秘密だ。



「わたしに任せてって言ったでしょう?わたしは日向家の優秀すぎるメイドです。わたしが……必ず椿さんと日向家も繋いでみせますから!」



だからロスに行っても、必ずアニキのことを気にかけてやってください。

今までどおりメールも電話もしてあげてください。

大好きと、変わらず気持ちを伝えつづけてあげてください。


それくらいしないと、あの不器用な男には伝わりませんから───、



「見栄もプライドも。人間って、気にしてないときのほうが強くてかっこいいもんですよ!」



へへっと。

照れくさそうに笑った女の子は、私の前に1つのマスコットを差し出してくる。


それはオレンジ色のネクタイをした、可愛らしいクマのキーホルダー。



「葉奈の初恋が椿さんで良かったって、わたし今、すっごく思いましたっ!」



彼女は、日暮さんは。
いいえ、サナちゃんは。

私の初めての────お友達。