「あ、あの…!!」
淹れたばかりのジャスミンティーを一気飲みして、なにかを覚悟したように日暮さんは私をまっすぐ見つめてくる。
「は、葉奈よりっ、ぜったいアニキのほうがいいと思います…!!」
「え…?」
「葉奈って、あいつとんでもねえ野郎ですから!!毒舌だし自分勝手だしっ、なんかもう悪党を通り越した大魔王ですから…!!椿さんのようなお嬢さんはきっと毎日のように泣かされちゃいます…!!
そんなのダメですっ、その度にわたしがあいつの根性を叩き直してやりますけどもっっ」
「……ふふっ」
つい場違いな笑みがこぼれてしまうと、目をパチクリさせた日暮さん。
識くんのことを「アニキ」と呼べるあなたが、本当は羨ましかった。
「日暮さんは葉奈くんのことが大好きなのね」
「………はい??」
「あら?違ったかしら。…ねえ、磯山。あなたはどう思った?」
「私もそう思いました。まるで葉奈様には自分がいちばん相応しいと、そう言われているようで」
「ふふ。私も同意見だわ」
日暮さんは自覚がなかったようで、わたしと磯山の会話を交互に見つめてから。
次第にぐんぐんと下から湯気が上っていく。



