日向家の諸事情ですが。





はい、現実ただいま。

思ってもみない場所から飛び出たわたしの反応を聞いただけで、まるでこの世の者ではない怪物を前にしたような顔の母兼、わたしの教育係の登場だ。



「またそんな返事をして。自分の立場と身分をしっかりわきまえなさない。大体あなたはそういうところからツメが甘いのよ。どうせ、また追い返されたんでしょ」


「……ごめん…お母さん」


「…まったく。今度は何をやらかしたのよ」



えっとですね、そのですね…。


バケツをひっくり返した挙句、足を滑らせてしまってたまたまた通った奥様を守りに入ったつもりが、彼女のスカートを掴んでビリビリに破いてしまい…。

の結果、誰にも知られたくなかった奥様(アラフィフ)のクマさんパンツをさらけ出すという失態を冒してしまったのだ。



「はあ……。すぐに吉良(きら)様にお詫びのご連絡をしなくちゃ。手土産も用意して……ああそうだ。一筆書かないと」



毎度毎度の母のお詫び術。

申し訳ないとは、常々思っている。