日向家の諸事情ですが。





「アニキ!!椿さんはアニキだけを想ってるんだよっ!それでアニキも椿さんが好き、両思いじゃん!なのにどーして破談になんかしちゃうの…!!」


「…俺は……兄貴だから」


「だから何…!?お兄ちゃんだから恋を諦めなきゃいけない理由って、なんだよもうっ」



わたしの刃みたいな言葉は、今のアニキには鋭すぎたんだ。

盾も持ってない彼は受け入れないという理由で、わたしの言葉から逃げようとしていた。



「母親が昔、言ってたんだ。苦しくてどうしようもなくて俺自身が我慢するくらいなら……そのときは逃げればいいって」


「…だから、逃げたの?」


「…………」



そうして結局苦しくなってるのはあなたじゃないの?

仲良くしたかっただけの弟にも殴られて、その弟のために動いた結果で結局、自分を追い詰めてしまっているのが今じゃないの?


たぶんだけど使い方を間違えちゃってる。


正しい使い方はもう、わたしのためにとっくに駆使してくれたんじゃないのかな。