「行ってくれば?俺も今日はそいつの顔見たくないし、ちょうどいーよ」
「……うん」
「…おまえも良かったじゃん?」
良かったって、なにが?
初恋の人とふたりでご飯に行けて?
じゃあ葉奈はずっと、椿さんとふたりで行きたいって思ってるってことだよね。
好きな人がいるのにわたしに何度もキスしてきて、そーいうのができちゃうんだね葉奈は。
「っ…、行こアニキ!焼肉とかっ、いっぱい食べたいな!!」
アニキの腕をぐいっと引いて、リビングを出ようとしたところで。
「サナちゃん」と、たった一言でわたしを引き止めてくるあいつが憎い。
「門限20時だから」
「小学生かっっ!!わ、わかんないよ?へへんっ、帰ってくるの朝になっちゃうかも!!」
「…へえ。まあ俺が教えたことを実践すればそいつなんかは満足するだろうけど。コツは歯ァ立てないように強めに吸うことね」
「なっ、なんの話だバカ!!!ストローね!?!?帰ってくるよ20時にはっっ」



