日向家の諸事情ですが。





「…跡取り息子としての自覚を持てと、私は言っているんだ」


「跡取り息子なら俺のほかに3人も居るだろーが。…俺は自分の事業もある。別にここを継ぐことなんかハナから考えてねえよ」


「おまえだけの問題ではないのだぞ。おまえは大東家の未来も背負っている立場なんだ、識」


「それも問題ない」



なに…?
なんのこと……?

これってなんの親子喧嘩なの?


今回ばかりは葉奈ですら予想外だったらしく、わたしたちは誰ひとりとして状況を読めていなかった。

とりあえずわたしは今にも消えそうな末っ子を守るように立つ。


そして今日イチの爆弾発言は、長男の口から。



「大東家も、日向家の事業も。───ぜんぶ葉奈のものだ」


「……は?」



そりゃそうだ。

「は?」と、めずらしいほどの顔で唯一反応した本人。


視線はすぐに全員が葉奈へと移る。