「なんだ、ここに居たのか」
「ッ…!!だ、旦那様……」
「ちょうど全員揃っているならそれでいい」
わたしの背後。
気配を消して登場するところなんかもう、奴らの父親だと。
ピシッとスーツを着こなして、髪をかき上げて、50代前半にしては若々しい風貌をした彼らのお父さん。
斜め後ろに立つ男性は彼の執事だろう。
「識、どういうつもりだ。おまえは何をしたか分かっているのか」
「…伝わってる話どおりだ。それ以上の説明は俺も持ってない」
「説明などはこちらも求めてはいない。ただ、おまえの勝手を取り消しにきた」
「取り消す?俺の人生を自分で決めて何が悪い」
うそ……。
アニキがここまで堂々と自分の意見を言ってるところなんか初めて見た…。
だってわりといつも、アニキって物静かじゃん。
クールで寡黙で、たまにボソッとバカつまんねえダジャレ言ったりして、知らないところでわたしを守ってくれる。
それが日向家の長男だったのに。



