日向家の諸事情ですが。





「どこ持っていけばいーの?」


「わっ、えっ、えっと、あっちの…展望デッキ」


「わかった」



背後からひょいっと奪われて、軽やかに歩いていく葉奈。

さすが男の子だ…と思う反面、身軽になったわたしはどこかうろたえてしまう。



「えっ、あとは大丈夫だよ…!わたしがやるからっ」


「暇なんだよ今日は」


「で、でも…」


「さっさと終わらせたほうがおまえもラクだろ」



干すのまで手伝ってくれちゃった……。

ふたりでやるとこんなに早く終わるのかとびっくりするくらい、あっという間に干し終わった5日分。


なんか……ドキドキする。


あのパーティーからおかしい。

葉奈が急に優しくなって、こんなふうに仕事を手伝ってくれることも増えて。



「サナちゃん」



って、名前を呼んでくる声さえ甘いんだもん。