「ついにこのときが来たな…。よう、おまえと会える日をずっと待ってたんだぜサナは」
目の前の大きな山を前に、わたしは仁王立ち。
逃げてはいけない、逃げたら負けだ。
もう、逃げることはしたくない。
日暮 サナ、行っきまーーすっ!!
「おーーもーーいーーー!!ぐぬぬぬっ、負けるなサナっ、気合いだっ、ふんばれっ」
5日分の溜まりに溜まった洗濯物。
4兄弟分+自分の衣類は、雨続きだった日々の強敵。
神様がもうそろそろいいかと納得したように、朝からカラッと晴れた今日。
世の中のお母さんたちも今日を待ちわびてこうして朝から戦っていることだろう。
「もう少し…っ、もう……ちょっと!」
普段洗濯物を干しているバルコニーではなく、敷地内の湖が見渡せる展望デッキ。
そこのほうが風通しが良く、大量に干せて1日で乾いちゃう最高な場所なのだ。
屋敷内から大きなカゴを抱えて、わたしは5日分と戦っていた。



